タイに来てからPCXを購入し、どこに行くにもPCXで移動していた。
一番の遠方はカンチャナブリで、当時40代半ばのニートには体力的にもそこまでが限界だった。
せっかくタイに居るのだから色々なところに行ってみたく思い大型バイクが欲しくなった。
長距離ツーリングをするには、リッタークラスのバイクが楽だが、社畜のニートには流石にリッタークラスを購入する資金がなかったので、価格、燃費などを考慮し600ccくらいのバイクを物色していた。
今では、収入がないため以前より、さらに金がないが……。
当時は(最近も?)アドベンチャーというジャンル、ネイキッドモデルにフロントカウルが装着されているようなジャンルが流行で、自分もアドベンチャーに絞ってバイクを選んでいた。
そこで、BenelliからTRK502という500ccのアドベンチャーモデルが発表され、価格的にもニートでも手が届く範囲だったので予約し、発売と同時に初期ロットのものが納車された。
ちなみにBenelliはイタリアのメーカーで、一昔、トルネード900という超高級モデルが売られていた。
トルネード900は、外装は全てドライカーボン製。フロント、リアともにサスペンションはOHLINSのフルアジャスタブルサスペンション。ブレーキは前後ともbrembo。ホイールはmarchesiniの鍛造アルミ。エキゾーストはARROWのチタンエキゾースト。6速ミッションに乾式クラッチ。エンジンにはマグネシウム製パーツを使用。フレームはクロモリパイプと中空アルミBOX。
バイクに興味がない人には何が何だか意味不明で申し訳ないが、とにかく超高性能、超高級な部品をふんだんに使用し、組み立てられた超高級バイク。
ところが、現在のBenelliは中国のメーカーに買収され、部品は無名の中華製部品(タイヤだけはPIRELLI)がふんだんに使用し、組み立てられたバイク。
組み立ては中国。
まあ、中国は現在では電気自動車も作っているし、コピー部品で磨いた技術があるから心配ないと思っていた。
納車されたバイクは自分の理想通りのスタイルだった。
自身初体験の倒立フロントフォーク、ラジアルマウントブレーキ、ABSと色々楽しみであったが、数年ぶりの大型バイクだったため、どこがどう良いのか違いがよく分からなかった。
久しぶりの大型バイクだったので楽しく、速攻で慣らし運転を終わらせ毎週末色々なところへ行った。
限界であったカンチャナブリに行くのも大分楽になった。
カオヤイ国立公園にも行った。スクンビット通りの終点、カンボジア国境も行った。
毎週末、バイクで色々なところに走りに行ったが、段々と毎週末走りに行くのが義務感のように感じ、かといって走らないのも勿体なく、それならば値段が高いうちに一旦手放そうと決めて、購入から約2年後、走行距離8,000kmの時点で売却した。
THB 210,000で購入し、THB 130,000で売却。
自分が使用した分は、THB 80,000/8,000 km、THB 10/ km。
楽しめた分と比べたらたコストパフォーマンスは良好だったと思う。
ちなみに、買い取った中古車屋ではTHB 169,000で販売されていた。
今思えば、ラオスの国境とミャンマーの国境、ゴールデントライアングル、マレーシアの国境に行かなかったのが、心残りだ。
今はニートで時間はあるが、バイクはない。
でも、PCXはある。
PCXでチャレンジしたらキツイけど大型バイクでは見えないタイが見れるかもしれない。
PCXでチャレンジしてみたくなってきた。
コメント